■ 実 験

ストラットタワーバーがあるとないとではコーナリングの挙動に変化が生じるのか?

本来、ストラットタワーバーがない状態からフロントを追加してリアを追加してと行ったほうが、実験としては好ましいかもしれませんが、現状フロント・リアともにストラットタワーバーが装着されているので、今回は順番にはずしていく(つまり性能を落とす)方向で行います。実験結果は以下の通りです。

  1. フロント・リアともストラットタワーバーをつけた状態
    これは前回のレポートで述べたとおり、ステアリングを切り始めるとノーズがスゥッと入り込みます。また、ロールはあまり感じられず、切った瞬間にクルマ全体でコーナリングをするといった感じです。

  2. フロントのみストラットタワーバーを装着した場合
    フロントのみを装着してリアを取り外すと、ノーズの動きはほとんど変化を感じられませんが、リアはロールしてフロントに引きずられるようについてくるといった感じです。

  3. リアのみストラットタワーバーを装着した場合
    リアのみを装着した場合はロールはかなり感じられ、フロントがフワフワと落ち着きがない感じです。かといって、リアに剛性感が特別感じられるわけでもありませんでした。個人的には一番乗りにくく感じました。

  4. フロント・リアともにストラットタワーバーなしの場合
    フロント・リアともにストラットタワーバーがなくなると、ボディ剛性が落ちたことがはっきり解ります。タイトなコーナーを走るときだけでなく、少し曲がった道ですら剛性の弱さを感じます。また、タイトなコーナーでは今までとは違い、かなりロールしてステアリングの反応もずいぶん鈍くなります。

以上のように当たり前といえば当たり前ですが、ストラットタワーバーの有無で車の挙動が異なることが実感できました。ただし、私のデルタはダンパーが交換されていた為、ストラットタワーバーがすべてという訳ではないということを加えておきます。

デルタというクルマは、進化することが義務づけられそして確実に進化してきましたが、その大きなポイントはボディ剛性の強化にあったと思います。今回のテーマであるストラットタワーバーに関して言えば、最初はなかったものが、エボ1登場時にフロントストラットタワーバーが装備され、最終のコレッツィオーネではリアも装備されるなど、かなりボディ剛性強化に大きな役割を果たしているのではないでしょうか?

デルタ進化過程の苦労というか努力を垣間見た気がしました。