いよいよリトモとの生活がはじまります.期待半分,不安半分.さて,どうなっていくのでしょうか.
- ■ 納車当日
- ルッソでリトモを受け取って帰るとき,横山さんに教えてもらったとおりアクセルを踏みながらエンジンをかけます.155ならばそんなことしなくてもセルだけでエンジンがかかるのに,リトモはしばらく暖機しないとストールしてしまいます.おまけに長屋さんから「チョークレバーは引かないでくださいね.壊れてますから足チョークを使ってください」.発進後,最初に止まった信号では「トウ&ヒール」で軽く煽ります.横山さんのジュリアで練習しておいてヨカッタ.
整備前に乗ったときは着座位置の高さに違和感を感じましたが,いざ納車されたらそんなことは気になりません.強化クラッチというから重いかと思ったらすごく軽い.オーバーホール直後のクラッチは軽いのでしょうか.ミートポイントも割に奥のほうです.ブレーキも155のように軽く踏んだだけで効くものではないけれどまったく問題なし.ミッションも下ろして調整してくれたとかでシフトもOK.
長屋さんが整備してくれたクルマですから大丈夫でしょう.ただし,診ていないところは保証の限りではないと.長屋さんがメモを差し出して「これ,ぼくの携帯の番号ですからなにかあったら電話してください」という言葉がすべてを象徴しているような気がします.(笑)
長屋さんいわく「タイミングベルトを換えたところですからガソリン満タン2回(600kmくらい)はあまり回さないでくださいね」.つまりレッドゾーンから 2,000rpm くらい低い 4,000rpm までにしておくようにとのことでした.
街中では 4,000rpm まで回せば十分速い.ゴトゴト,ガタガタ,バタバタ,ブォンブォンと盛大な音と振動に思わず「なんじゃコレ〜.おもろいやんか」と爆笑してしまったのでありました.
自宅に帰り,155と縦に並べて停めると「銀に黒か.無彩色ばかりだなあ」.155は屋根の下なのですが,リトモは屋根なし.Eワヤマさんも「耐久試験ですから甘やかさないでいいです」.
イタリアの4ドアセダンと3ドアハッチバックの2台体制.なんだかワクワクしてきました.
- ■ 週末の洗礼
- リトモって3ドアハッチバックなのですが,リアシートもゆったりしています.座面を引き起こして背もたれを倒せば荷室スペースとしても使えます.これは実用的です.リアにも3点式シートベルトが付いているので子供たちを乗せることもできます.
というわけで納車された最初の週末に家族を乗せて東山動物園へ.
足回りが固いという問題ではなく,路面状況など「我関せず」.自分が動きたいように動いているみたい.路面が荒れているとステアリングが左右に振られます.おまけにゴトゴトと騒々しいもので妻も「ミニみたいね」「たしかに」.
ブォ〜ンっとツイン・ウェーバーの吸気音を響かせながら走っていると長男が「すごくゆっくりだね」.一瞬ショックでしたが,どういう意味なのかを分析してみました.彼が比較する対象は155.その155と比べて「これだけ音がしているのに窓の外を流れる景色がゆっくり」だった.言い換えれば「155よりやかましい」だけなのですが,彼は「遅い」と感じたのでしょう.
クルマに慣れて,目一杯回せるようになったらリトモも速いところを見せてあげましょう.それまでは「すごくゆっくり」走ります.
週末の動物園は駐車場が混雑します.「遠くの駐車場に入れないといけないのかなあ」と思っていると入口の近くに隙間があります.Uターンして入れることができました.そういえばミニのときも普通車が入れない隙間によく停めたっけ.小さなクルマはこういうときに便利です.
ただし,ミニ以上にステアリングが重いんです.パワーアシストなどありません.緩いカーブは問題ないのですが90度以上曲がろうとするとたいへん.車庫入れなどでバックするときの後方視界は抜群によいのですが切り返しがたいへん.逆にいえば,いまのところ(エンジンが暖まってしまえば)運転にむずかしい点はありません.
そうそう,最低50度の水温計の針がちょっとでも動けばヒーターもしっかり効きます.これは妻も「155は10分くらい経たないと温風が出ないからリトモのほうが暖かい」と好評でした.わたしは冬よりも夏が心配です.
翌日は星ヶ丘のアイススケート場へ出かけたのですが,次男が気分が悪いみたい.風邪かもしれません.妻が「いっしょにおうちに帰る?」という言葉に頷いたもので,電車で帰るのも寒いだろうとリトモのキーを差し出しました.「え,わたしが運転して帰るの!?」「そのほうがいいだろ?」というと黙って受け取りました.
家族を乗せて2回の外出でエンジンのかけ方や操作方法,注意点はさりげなく伝えてあります.いまならエンジンも暖まっているからなんとかなるだろうと判断しました.
その後,長男と帰宅してから妻に「どうだった?」と尋ねると「あの駐車場から出るのに3回も切り返しちゃった.うちの駐車場に入れるときは覚悟してたからなんとかなったわ」.いまのところ問題はステアリングが重いことだけです.Eワヤマさんはリトモを「奥さんに運転してもらうのは気が引けます」と言っていたのですが,我が家にやってきた以上「運転できない」では済まないこともあります.なにも起こらないことを祈りましょう.(笑)
いきなり妻が運転することになったのは予想外でしたが,家族もリトモの洗礼を受けて,リトモも我が家の一員として受け入れられたのでありました.