リトモのバケットシート取付は溶接が必要らしくまだ戻ってきません.サーキット走行会の前日には4点式シートベルトのアンカーもあわせて付いてくるそうです.

というわけで今回は雑談です.

■ リトモTALK2
わたしのホームページの DRIVE me crazy! No.20 にも書いたことですが,リトモはそれなりに楽しめるクルマで街乗りもできるとはいえ「毎日乗って幸せになれる」クルマでもありません.ワインディングを走らせるのが楽しいクルマです.

そこで「こんなクルマに毎日乗る意味ってあるんですか?」とEワヤマさんに尋ねたところつぎのような返事が返ってきました.

リトモに関する疑問にお答えします。毎日乗ってください。何故かといいますと乗れるだけは乗っていることで得られる物があるのではと思うからです。

確かに特別面白い性格のエンジンではないし快適と言うわけでもありません。ストレスも溜まります。私もそう感じます。でもこれくらいのクルマが日常に感じられるようになってしまうことが必要ではと思うのです。

クルマと肩を組んで対等に付き合う為の基礎的な経験が必要な時に使う教材だと思って乗ってください。毎回発見があるほどのクルマではないでしょうがリトモはいい相手だと思います。乗りにくさに慣れると言うだけではない部分がリトモを降りたときに残ればいいのではと思います。

ずいぶんむずかしい言い方をするので考え込んでしまったのですが,実際にご本人に会ったときに真意を伺いました.「ちょっとくらい古くても乗りにくくても構えなくて済むようになればいいと思っています.リトモレポートはぼくが望んでいるような形で進んでいますから満足です」.な〜んだ,それなら深く考える必要はありません.

いろいろお話を伺っていくと「”リトモに毎日乗る意味は?”というメールが来たときギクっとしたんです.つぎのレポート車のことを考えていたのがバレちゃったかなって(笑)」.動揺してたから文章が固くなったのね.

「逆に hisata さんに”こいつは面白い”ってリトモにハマってもらっては困ります.まだ先がありますから(笑)」.

先のことは最後までわかりませんから「確定したら教えてください」.当初から期間限定のリトモレポートですが,レポート終了後リトモはどうなるのでしょうか.

「ルッソの代車にしてお客さんに乗ってもらおうと思っています.将来古いクルマに乗りたい人にとって道しるべになればいいですね.そのときはリトモレポートを案内書として付けてもいいでしょう.もちろん乗りたいという人がいればお渡ししてもいいのですが,ぼくとしてはどちらでも構わないんです」.

リトモが代車とは変わったショップですね.でも基本的に4人乗りの実用車ですから代車としても使えるでしょう.真夏は知らないけど.(笑)

■ ふたつに割る
Eワヤマさんは常々「たとえば1台に数百万円出すなら家族のクルマと自分のクルマの2台に割ったほうがいい」と言います.たしかに値頃な中古車を安心して乗ることができればそれも可能になるでしょう.「おなじようなクルマを2台持つのはムダです.それなら1台でいい」.

わたしの場合155があって,それ1台でも生活できます.だけど自分の足としてもう1台あったほうが便利だということと,その1台は趣味を追求できるメリットがあります.リトモくらいであればそれほど苦労しないから155+リトモの2台体制はかろうじてバランスしています.そのリトモがもうすこし古くなったり尖ったりすると,155は逆に家族が喜びそうなクルマに換えればいい.我が家の場合ドイツ製ワゴン車かな?

2台のクルマを天秤にかけてバランスさせればいいのです.

向かって左へ「趣味性」が伸びていき,右のほうへ「実用性」が伸びていく.趣味性を伸ばしたら実用性も伸ばさないとバランスが崩れてしまいます.ほんとうに好きなクルマに乗っていれば家のクルマがなんだって構わないはず.自分と家族双方を満足させることがポイントです.というのが「Eワヤマ理論」です.

Eワヤマさんの考え方ははっきりしていて「クルマにお金をかけることがその人にとって意味があるどうか」が基準なのです.本人の意向もありますから一概には言えませんが「たとえばクルマのドレスアップに数十万円出すくらいならイタリア旅行にでも行ったほうが得るものは多いでしょう.クルマでもパーツでも売ればいいというのは嫌いなんです」.

考え方次第ですがそれがルッソの価値観であり提案なんですね.

「家族の評判って無視できないんです.いままでいろんなクルマを納めてきましたが家族の反対を押し切って買ったクルマは結局長く楽しめないことが多い.だから hisata さんもいろんなクルマを見せて評判を確かめておいたほうがいいですよ」.

ちなみに我が家でのリトモの評判は悪くはありません.第一のポイントは「コンパクトさ」です.ただしコンパクトだから小回りが効くかというとステアリングの重さで相殺されてしまうんですね.155ではどうしても神経をつかうから「多少擦ってもいい」くらいの気軽さがほしいようです.

わたし自身,ルッソのレポート車を通じて将来のカーライフを模索しているのです.このレポートが読者のみなさんの疑似体験にもなれば幸いです.