1999 LOTUS ELISE

2回目の車検を機にリセット作業を依頼されました。

タイミングベルト、ドライブベルト、ウォーターポンプ、クラッチ、レリーズベアリング、フロントブレーキパッド、カムカバーガスケット、プラグ、エアクリーナー、エンジン&ミッションオイル、オイルエレメントを交換するためにエンジンを下ろします。

今年は年明けからF355ランチア・テーマ8.32に続いて3台連続でエンジンを下ろしています。

リフトアップしてリアから見たところ。リフト上のエリーゼは前後のバランスを崩さないように細心の注意が必要だそうです。リフトで上げるときはひとりがフロント側を押さえています。
リアフードを外すとエンジンが姿を現します。
ふと気がつくとリアカウルが置いてありました。
ということは?
こうなってました。

これはエリーゼオーナーでも滅多に見る機会のない景色でしょう。

ピックアップトラックにエンジンを積んであるみたい。
エンジンを慎重に吊り上げているところです。
エンジンが下りたあとのシャーシ。天井が見えています。
カムカバーからオイルが滲んでいます。ここはエンジンを下ろさないと見えない部分です。
ふたりで作業しているので進み方が早くて、ふと気がつくと、

「あれ、ミッションがない!」

ここにありました。
ミッションの内側です。レリーズベアリングを回すとグリスが抜けているのかジャリジャリした感じがします。
古いダイヤフラムとクラッチ板。
新しいパーツを並べました。今回、CDAというエアクリーナーも取り付けます。
中央部分のアップ。左からレリーズベアリング、ウォーターポンプ、ラジエタータンクキャップです。その上に見えている黒くて薄いものが、カムカバーガスケットです。すこし変わった形をしています。
タイミングベルトが見えています。ドライブベルトはオルタネータをつなぐだけなので非常にシンプルです。
カムカバーが開いて、カムシャフトが2本現れました。オイルが漏れているガスケットも交換します。LUSSOではきちんとしたバルブタイミングを見るためにカムシャフトで確認しています。
プラグはいい感じで焼けていますが消耗しているため交換します。
タイミングベルトとウォーターポンプを交換して、張りとタイミングを調整し、カムカバーを閉めました。
古いタイミングベルト。
フロントのブレーキパッドを交換しました。上が新品の2枚、下が古い2枚。
フライホイールは30%軽量化しました。
クラッチを取り付けました。 クラッチペダルを踏むと黒い爪の中央部分を押さえることでクラッチ板をフライホイールから離します。半クラッチを多用するとクラッチ板がはやく磨り減るわけです。
そしてミッションを付けます。
ふたたびエンジンが載りました。
新しいエアフィルタ(CDA)が付きました。
エクシージのエンジンを見てみました。写真には映っていませんが、すごく大きなエアフィルタとダクトがついています。このクルマは低回転ではトルクがないので乗りづらいですが、回せば回すほど元気になります。ぐっと踏み込めばお尻を蹴っ飛ばされたみたいにかっ飛んでいく痛快ロードレーサー。車高が低いのでガソリンスタンドに入るにも神経をつかいますが、めちゃくちゃカッコいいです。(写真はこちら

このエクシージも納車整備でエンジンを下ろすそうです。作業しにくい状態で無理してベルト交換するくらいなら、いっそエンジンを下ろしてしまったほうが早いということもあるようですが「納得できる作業をするにはどうすればいいか」というのが基準になっているようです。

わたしも手伝って3人がかりでリアカウルを取り付けて、ようやくエリーゼらしくなりました。
試運転に同乗しました。

調子いいです。3,000rpmでも十分スピードが出ます。右のスピードメーターが動いていないのは左リアタイヤのところのセンサーに泥がついていたせいでした。

カメラのファンダーを覗いたままなので怖かった。ドライバーは信用してますが、フットレストに両足突っ張ってました。

アクセルのツキが良く、とても「軽い」エリーゼです。路面の状態をステアリングとお尻で感じながら走らせていると思い出すのが「FUN」という一言。ふだん自動車を運転していても忘れがちな言葉です。シフトもカチカチと気持ちよく決まるし、クラッチもスムーズで運転しやすいクルマです。純粋に走ることを楽しむには最高のクルマだと思います。