うっとおしい天気が続いて蒸し暑くてもBXは冷房完備で快適.「10年物」には多少偏見もあったのですが,この車両価格でこれくらい快適なら上等です.コールドスタートしたときにアイドリングが不安定なのは自動的にアイドルアップする機械が壊れているからだそうです.なにやらその機械が安くないらしいので長屋さんはキャブレターの中古を探しているとか.わたしは右足チョークでいきます.
- ■ 信号機メール
- Eワヤマさんからこんなメールが届きました.
BXレポート No.8 をゆっくり読んでうれしかったです。ボクがBXにして「これが一番気づいて欲しいんだけど」っていうのがレポートされていたんです。Eワヤマさんにはレポートが始まるまえから思惑があるのです.それにわたしが気づくかどうか,いつ,どんな形で気づくかがわからないだけ.この「10年物レポート」では hisata とEワヤマさんの間で役割分担をしているのです.実用車だからつまらないとかだけではなく「それならそれでこう楽しもう」っていうことが基本だというのが伝わることを考えていました。そして hisata さんはそれを見つけてくれました。
非力なクルマですがそのクルマでも町中のスピードなんてたいして他のクルマと変わらないくらいは出せるはずです。何よりもオートマですからシフトチェンジを考えずにライン取りなんかを楽しめばいいのです。綺麗に走ることをBXの目的にしてあげて下さい。
つまりEワヤマさんは「的を射たアドバイス」をするのですが,それが具体的にどういうことなのかは説明がなかったりするのです.「言いたいことはよくわかるけど実感がわかない」といった状態.そこで hisata が実際に(オーナーとして)乗ってみた体験のなかから説明していくわけです.「そこがポイントなんですよ」と言われて「あ,そうなんだ」.わたしにとっては信号機みたいなもの.(笑)
Eワヤマさんはイメージしていた乗り方をして楽しんでもらえると喜ぶのです.これはレポート車だけでなくお客さんに納めているクルマでもおなじ.「売った買っただけではつまらない」そうです.だから納得してもらったうえで「こんなふうに乗ってほしい」という話をすることもあるのです.
BXレポートも苦しかった峠を越えたので,あとは肩の力を抜いて楽しませてもらいます.
- ■ 横断レポート
- クルマをレポートしていく楽しみのひとつは「共感」です.
おなじクルマに乗ったルッソのスタッフもおなじように感じていることがあって,たとえプロでも「思うことはみんないっしょなんだ」と気づきました.もちろん,わたしが気づいていないことを教えてくれることもあります.一方,読者の方が「以前BX(リトモ)に乗ってました」とそのときの様子を教えてくださいます.「うんうん,そうですよね」と盛り上がります.
なぜ盛り上がるか.お互いに相手の言おうとすることがよくわかるからです.うれしかったこと,悲しかったこと,みんなまとめて話ができます.くだらないかもしれませんが,クルマを楽しむにもひとりじゃつまらない.
たしかにBXは非力なクルマです.とくに上り坂ではムキになってアクセルを踏むのが馬鹿らしくなります.それでも街中では十分なスピードが出ます.「どんなに頑張ってもこのクルマじゃこれが精いっぱいだ」とあきらめるのではなく「これはこれでおもしろいからいいの」と思えればいい.
「きれいに走る」ということはBXの特性を生かした乗り方をするということで「長所を生かす」ことにつながります.それを「非力だ」「遅い」「変な音がする」と短所ばかり見ていては楽しくありません.そのクルマの良いところを見てあげましょう.
そうすれば「おもしろそうなクルマ」ではちゃんと楽しむことができるはずです.