RITMO REPORT No.18
キャブレターをいじると手にガソリンの匂いがついて取れません.家庭用ハンドソープではなく,業務用の洗剤を使わないとだめですね.

■ 静かなリトモ

エアクリーナーカバーを装着したリトモは静かです.いままでは吸気音のおかげでエンジン音がよく聞こえませんでしたがいまは聞こえます.シュィ〜ンというメカニカルな音とブォ〜っという低い音が響いてきます.

街中でも加速がスムーズになったような気がしたのですが,たぶん「スピードのわりに音が静か」なせいでそう感じたのでしょう.音を楽しむにはあのカバーは邪魔ですが,ふだんの足として乗るにはこれでもいいかな.そのほうが朝晩の出し入れも気が楽です.サーキットなどで気合を入れて走るときは外してしまえばいい.

ただ,静かになったといってもガタガタ,ギシギシといろんな音がします.静かになったのは吸気音だけです.エンジン音だけが響いてくる155とはちがいます.

さてホットエアーの効果ですが,それがよくわかりません.やっぱり息継ぎは出ます.でも暖機もせずに朝一番に出てからアイドリングが 1,000rpm に落ち着くのが以前より早くなったかもしれません.つぎに試すのはプラグ交換でしょうか.

それと昼間リトモで出かけて戻ったとき,イグニッションを切ってクルマを降りてもブォ〜ンという音が聞こえるのでなにかと思ったら電動ファンが1分くらい回っていました.「わぁ,マセラティみたい」.最近では朝晩は寒くても昼間は天気がいいとクルマのなかは暖かかったりするせいでしょうか.

Eワヤマさんから連絡があって「いまからリトモを借りに行っていいですか?」.タイヤ交換のために預けることになっていたのです.ついでに長屋さんにも乗ってもらうことができるでしょう.一時 CIVIC felio と交換です.リトモに乗ってエンジンをかけたEワヤマさんは変な顔をしています.

「なんですか,これ? 全然静かじゃないですか」「残念でした(笑)」.

■ ヘインズの謎

No.16 で HAYNES WEBER carburettors の解説図ではアイドルジェットがエンジン側にあるはずなのに,現実にはアイドルジェットが吸気側にあったことが気になっていました.わたしの勘違いかとも思ったのですが,浜田さんがその図を見せて説明してくださったときにも「つまりアイドルジェットはエンジン側にあるわけですね」ということは確認しました.

そこで昨日購入した HAYNES FIAT STRADA Owners Workshop Manual で 130TC のキャブレターについて調べてみました.

するとそこに載っているイラスト実際と一致しているのです.エンジン側にあるのはアイドルジェットではなくメインジェットです.そのイラストの数ページうしろに WEBER carburettors と同様の分解図が掲載されていました.「これは矛盾してるじゃないか」と思ったら,その分解図にはこういう見出しがついていました.

Fig.13.20 Exploded view of typical Weber 40 DCOE carburettor

typical というのがひっかかります.Weber 40 DCOE にも種類があるのでしょうか.155でもヒューズやリレーの位置が取扱説明書と一致せずに困ったことがあって「かならずしも解説書と一致しない」としても驚きはしません.そんなことはどうでもいいのですが,わたしは「実際のリトモのキャブの仕組み」が知りたいのです.アイドルジェットとメインジェットの位置が逆になるとどういうふうに動作するのかがわからないのです.今度機会があったら長屋さんに聞いてみます.

また別の図も載っているのですが,燃料パイプの取り回しやスロットルの接続形態が実際とは異なります.そういう部分が異なっても構わないのですが「するとこのスクリューの意味もほんとに正しいの?」と疑心暗鬼になってしまうのが困ります.最後は自分の責任で判断するしかありませんね.

HAYNES FIAT STRADA をパラパラと繰って 130TC の解説部分を探したら Supplement(付録)に先ほどのキャブレターの解説と配線ダイアグラムが載っていたくらいでした.でも,他の部分も「あ,ここはおなじだ」という部分も当然あって,簡単には見ることのできない部分の写真やイラストがあって楽しめました.メーターパネル裏の「ここに照明用バルブがある」というのもあって,メーターパネルが若干ちがうような気もしますが外し方も簡単に説明してあるので「やってみようかな」という気にさせてくれます.

しかし,リレーの解説が現実と一致しません.HAYNES では集中ドアロックとパワーウィンドウのリレーは独立しています.実際にはこういう解説書を手がかりにして試行錯誤するしかないのでしょうね.

HAYNES の Workshop Manual の存在は以前から知っていたのですが真剣に読むのは初めてです.冒頭にサンデーメカニックの心構え(注意書き)まで書いてあるのには驚きました.130TC のキャブレターのオーバーホール手順も書いてあるのですが,さすがに一度読んだだけでは理解できません.

155に乗ってきて「イタリア車はエンジンには気合いが入っているな」と常々感じていたのですが,キャブレターも重要な補機としてエンジンに準ずるのでしょうね.