Daimler Double Six 修理

アイドリングが不安定になるなどエンジン不調のためお預りしたダイムラー・ダブルシックスです。

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1968年登場のXJ6からほぼ変わらない風格あるボディにリージェンシーレッドと呼ばれる
ワインレッドが似合っています。ハンドメイドの内装に12気筒エンジンのジャガー最高級
サルーンでこの車は93年登録の最終型です。

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原因はガソリンタンク内の腐食が進んで燃料系統が詰まり気味になり、燃料が十分に送られ
なかったことでした。タンクを新品に換えて解決いたしました。

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これが取り寄せたガソリンタンクです。このXJ系はデビュー当時からタンクが左右に2つあって
給油口もそれぞれ別にあり、ダッシュボードにタンクの切替スイッチも付いています。
合計で91リッターも入ります。

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給油口からみたところ。中がひどく錆びてしまっています。

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タンクはこのトランクルームの側面、リアフェンダーの裏に立てて入っている感じです。
この後ろに向かってすぼんだリアスタイル、いいですね~。

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この画像はリアバンパーを外した状態で、タンクはこの奥の空間にすっぽり収まります。
昔の名残で配管には英国規格のウィットネジが使われています。

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タンク交換とは関係ありませんが4輪独立懸架の左側リアサスです。スプリングとアブソーバーが
片側2本ずつサブフレームに取り付けられています。見えにくいですがその奥にはインボード
ブレーキが見えます。ブレーキは前後ともガーリング製ベンチレーテッドディスク。
この構造といいコストが掛かっています!

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この給油口がトランクの左右にあります。全てが金属で作られていてクロームメッキされた蓋の
部分だけでも肉厚でけっこうな重さがあります。現代の車ではありえませんね。

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グリルはもちろんすべて金属製。最近の車のクロームと比べるとなんとなく光沢が“深い“感じがします。

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エンジンルームにぎっしり詰まった感じの5.3リッターV12エンジンです。72年に登場した当時は
世界で唯一の12気筒4ドアサルーンで、性能的にも最高速度230km/h、0-100km/h加速が7秒前後と
ベンツの300SEL6.3などと共にトップクラスでした。
現代の車のようにテスターをつないで診断・・・というわけにはいきませんが、この車にとって
最も適した整備を常に心掛けています。これからもオーナー様にはこの乗り味をずっと永く
味わっていただけるようご一緒させていただきます!

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