このレポートでは「これから164に乗る」ことを前提としています.新車から乗ってらっしゃるみなさんには心外な表現もあるかもしれませんがどうかご容赦ください.
- ■ 164を楽しむ条件
- どんなに外見がきれいでも次々にトラブルが起こったのではたまりません.そんな状態で納めるから「乗っている時間よりも修理している時間のほうが長い」クルマができてしまうのです.
安くで手に入るのであれば個人売買でもなんでもいい.だけど164に楽しく乗りたいならノウハウのあるショップか工場できちんと整備してから乗るべきだと思います.もちろんルッソでも相談に乗ってくれますが名古屋まで足を運ぶだけの思い入れもまた必要になります.
- ショップは遠いけれど1年は安心して乗ることができる
- ショップは近いけれどメンテナンスを任せるのは不安
あなたならどちらを選びますか? (究極の選択 その2)
そういう意味ではわたしは164を楽しむための理想的な環境にあるのです.前回お話したように見た目はパッとしなくても(失礼),中身は当面の不安がないようにリセットしてある.そうすればいきなり困ることはない.見た目のことはすこしずつ手を入れていけばいい.
ミシュランのMXV3Aも山が減ってきているし,OZのホイールも傷だらけだからいっそタイヤごと交換してしまうとか,ついでにちょっと車高を下げてみたらかっこいいかもしれないとか,うしろ半分の窓にスモークフィルムを貼ろうとか...これがレポート車ではなく自分の愛車だったらそうしていくでしょう.
中古車選びって住宅選びに似ています.
新築でない限り,家具も何もない部屋ってアラが目につくのです.「この窓,固くて開けにくい」「壁紙が汚れてる」「床がぎしぎし鳴る」とか.でも実際に住みはじめて,自分の家具を置いてカーテンを吊るせば,たいていのアラは気にならなくなります.
住宅選びのコツはまず第一に場所(環境)選びだと思うわけです.幸いクルマは自由に移動することができますが,みなさんは理想的な「環境」にいるでしょうか?
- ■ 恒例・お散歩164
- hisata を知るみなさんは「なんか変だぞ」と思ってらっしゃるでしょう.わたしもそう思います.無意識のうちに読者の意表を突こうとしているのかもしれません.(笑)
恒例の「お散歩」に出ることにしました.これはリトモでもBXでも走った峠道コースです.164には酷かな?
週末の午前4時(眠いよぉ).夜明け前に抜け出してまずガソリンを補給します.エンジンを止めればセンターコンソールのボタンで給油口のロックを解除することができるのでキーを渡す必要がありません.155では給油口のキャップが壊れたことがあるのでこれは安心です.(ロック解除機能が壊れたらどうなる!?)
再度イグニッションを一段ひねるとメーターパネルのインジケーター類が横一線にずらっと点灯します.約3秒後,サイドブレーキとバッテリーの警告灯を残して消灯.セルを回すとエンジンがかかります.アイドリングはメーター読みで 800rpm 弱と意外に低めなのは6気筒だから?
フットブレーキを踏んでサイドを戻し,シフトをごくごくとDレンジに移動します.足を緩めると動き出します.狭い場所ではタイヤが転がりはじめると同時にステアリングも切らなければいけません.コレ164の鉄則.
そろりそろりと歩道の段差を下りて,車線に沿って向きを変えるとアクセルを踏み込みます.速いのでびっくりしました.155,リトモ,BXと2リッタークラスの4気筒ばかり乗り継いできているせいでしょうか.BXのつもりで踏み込むとじきに恐くなります.
「このスピードから止まることができるの!?」(笑)
国産高性能セダンやターボ車に比べればたいしたものではないはず.それにパワーやスピードには慣れていきます.でも改めて164を走らせてみて3リッターV6の力は偉大だと感じ入りました.(こりゃ踏めば誰でも速く走れるわ)
信号の他には行く手を阻むものがない広小路通りを東へ向かいます.セーブしないとついペースが上がります.乗り心地は固すぎず柔らかすぎず,多少ごとごと響いてくる程度.これならBXのように酔う心配はありません.それに力があるとクルーズするのも楽ですね.
折り返し地点は「いこいの村愛知」.コースは往復120km弱.足助を過ぎて国道153号線から県道33号線に入るとまるで林道コース.
ひと気のない33号線で164を路肩に寄せて休憩.
ひんやりとした霧がじとっと身体にまとわりつきます.エンジンはアイドリングを続けているので外に立つとカタカタとタペット音が耳につきます.「窓を閉めて運転しているとエンジン音もあまり聞こえなくて静かなクルマなのにな」と思っていたら,突然ブゥワ〜ンっとラジエターファンが回りはじめました.
あたりの静寂を破る騒音にすっかり興醒めして…次回につづく.